もちもちたいむびより

日々の出来事、思う事。

読書感想文のテンプレで世の中がちょっとザワついてるらしい

今でこそ文章を書く事が好きだけど、昔は好きでも嫌いでもなかった。読書感想文を書くのはめんどくさかったし何を書いたかも覚えてない。けれど、高校生の時の読書感想文の事で覚えている事が1つだけある。

夏休みの間に好きな本を1冊読んで、原稿用紙2枚で感想を書けっていうTHE 読書感想文が宿題で出された。それまで小説なんて一切読まなかった。興味もなかった。手にとることもないし目にもくれなかった。好きな本って言われても何を読んだらいいのかも分からず、とりあえず本屋に入ってみた。そしたら各出版社から「おすすめ100冊」みたいな無料の冊子が大量に置いてある。その中からあらすじを読んで自分が面白そうだと思った1冊を選んで書く事にした。選んだ本は江國 香織の『神様のボート』。それが私がはじめて読んだ小説。無料の冊子から選んだその1冊。結果、私は手も目も離せなくなって夜を失い、涙腺の弱い私は泣きながら本を読み終える事になった。衝撃的だった。始めて本が面白い物なのだと知った。今まで知らなかった事を少しだけ後悔した。

文才なんて無いし、国語の勉強も嫌いだし。それでも自分が本を読んで受けた衝撃を原稿用紙に書きたいと思った。何がどう感動したとか、もうそんな事どうでもよくて、ただこの本の素晴らしさを伝えたいと思った。何を書いたか全然覚えてないけど、その気持ちだけは覚えてる。

テンプレートで書かれた読書感想文のうち、どれだけの人が、読んだ本に対して心を動かされたんだろう、と思う。

大好きな彼氏の事、友達との驚きの体験。自分が見つけたとっておきのネタ。心動かされた物や好きになった物は、たくさんの人に教えたくなるし饒舌になる。自らが発信したいという気持ちにテンプレートなんて必要ないんじゃないかな。

 

口で伝えるのが難しいなら手紙で書けとか言われるくらい文字には気持ちを乗せやすい。相手に気持ちを伝える行為でもある感想文だからこそ、苦手だなって思う所もあると思う。嫌いなものや思ってもない事をは伝えたくなくて当然だ。伝えるならば、好きな物でないと。上手く説明できなくたって、伝えたい!って気持ちがあれば人は必ず聞いてくれる。

高校生の夏に本と衝撃の出合いをした私は、卒業するまで毎週のように図書館で本を借りて過ごすことになった。本が好きになった。文章から伝わってくる何かを知った。未だ上手な文章というのも分からないし自分の気持ちをストレートに伝えるのも下手だけど、嘘も偽りもない私だけのオリジナルがここにある。

これが自分の言葉だとちゃんと自覚して、今日を綴る。